ジュエリー販売の「オートクチュール宝飾サロン ジェイシーバール」(富山市布瀬町南、嶋龍仁社長)は、アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイのダイヤモンド研磨工場「ロイヤルカットドバイ」と協業を開始した。宝石の仕入れや製品開発で協力することで、オーダーメード機能を強化するとともに、コストカットにつなげる。
ジェイシーバールは海外で原石を買い付けたり、世界の宝石商から購入したりして材料を仕入れ、ネックレス、ペンダントといったジュエリーを販売している。自社のデザイナーが顧客の要望に基づいてデザインしたオーダーメード品や、オリジナル品が主力商品。製造は外部委託している。
研磨工場との協業は初めてで、ロイヤル社はダイヤの原石を3Dスキャンで分析し、最適な角度や形を導き出す「プランニング技術」を持つ。原石の段階から要望に応じたデザインに仕上げることが可能になり、嶋直樹専務は「オンリーワンのジュエリーを作ることができる」と説明する。
ドバイは世界中から原石が集まる宝石の中継拠点となっているため、ロイヤル社にもアフリカを中心とした国々から原石が持ち込まれる。ジェイシーバールは、研磨された宝石を工場から直接仕入れることで、コストを低減できる。
ロイヤル社はジェイシーバールのデザイン力を評価した。ダイヤや真珠を取り扱った商品を共同開発し、海外の販売店に展開する予定。ドバイや日本の投資家を対象とした製品展示会も計画している。
ドバイの存在感高まる
ダイヤモンドの原石を研磨した宝石は結婚指輪、ネックレス、ペンダントといったジュエリーに使われている。
ダイヤモンドの流通経路は複雑だ。アフリカ、ロシア、カナダなどの鉱山で採掘された原石は販売業者を通じて研磨工場に送られ、複数の仲介業者を通じて国内の小売店にたどり着く。
世界の取引市場はベルギーや米国が有名だが、経済発展するドバイの存在感が高まっているという。