第64回日本伝統工芸富山展は30日、高岡市美術館で開幕した。金工、漆芸、木竹工、陶芸、染織、人形、諸工芸の7部門で、技を磨き創意を凝らした130点を紹介している。6月8日まで。
最高賞の日本工芸会賞に輝いた十六代小原治五右衛門さん(漆芸、南砺)の「城端蒔絵(まきえ)飾箱(かざりばこ)『Eclipse(エクリプス)II』」をはじめ入賞・入選作を展示。全国の重要無形文化財保持者(人間国宝)や、日本工芸会石川支部会員らが賛助出品し、伝統の技術で現代に合った「用の美」を追究した作品が並んだ。
開会式があり、日本工芸会富山支部の久和進支部長、角田悠紀高岡市長、蒲地北日本新聞社長があいさつ。審査員を代表して人間国宝の中川衛さん(金工、石川)が講評し「海外に通用する人が次から次に出てきてほしい」と述べた。
会場には多くの愛好者らが訪れた。高岡市二上の僧侶、田中良憲さん(77)は「人間国宝の作品が見られるから毎年楽しみにしている」と話した。
高岡市美術館、日本工芸会富山支部、日本工芸会、北日本新聞社主催。