富山県高岡市福岡地域出身で東京朝日新聞記者だった大野伊吉さん(1909~90年)が、学生時代に遭遇した二・二六事件について伝える書簡が、高岡市立博物館で展示されている。6月15日まで。
書簡は大野さんが1936(昭和11)年の事件発生直後に父に宛てたもので、当時アルバイトをしていた同新聞の本社が襲撃された様子が詳細に綴られている。
約1500字がペン書きされた便せん8枚と、「戒厳 司令部 査閲済」の朱印が押された封筒を並べた。兵士に投降を呼びかけるビラが飛行機からまかれたことも記してあり、ビラの画像を併せて展示した。
遺族から寄贈を受けて初公開した。仁ヶ竹亮介主幹は「当時の雰囲気が感じられると思う」としている。