富山県南砺市福野地域で5月に開かれる「福野夜高祭」の保存・継承に取り組む福野夜高祭保存協議会(安達孝彦会長)は、同月2日の祭り最終日に新たな見学プランを設ける。大行燈(あんどん)を壊し合う「引き合い」が間近で鑑賞できる特設コーナーや、砺波地方の郷土料理が盛り込まれた特製弁当などを用意する。今月9日から申し込みを開始する。

 見学プランは観光誘客の強化や、収益化によって祭りの保存や継承につなげようと、南砺市や県の補助金を得て初めて企画した。当日は地元関係者によるガイドツアーの後、福野神明社近くの空き店舗を改装した休憩コーナー2階で行燈を間近で楽しんでもらう。目玉の「引き合い」は、上町銀座会駐車場の特設休憩コーナー「夜高茶屋」で鑑賞してもらう。

 7日は同市商工会館で関係者が、当日提供する砺波地方の郷土料理「ゆべし」やますずしなど15品目が入った特製弁当を披露した。安達会長は「持続可能な祭りにするための第一歩にしたい」と期待を込めた。

 定員は先着20人で、価格は1万円。南砺市観光協会のウェブサイト内にある、祭りの紹介ページから受け付ける。

観光検討委も体験メニュー

 福野夜高祭の見学プランを巡っては、有志でつくる着地型観光検討委員会(柴田昌尚委員長)が7年前から「引き合い」の見学体験メニューを販売しており、今年も実施する。

 最終日の5月2日、上町銀座会駐車場に設ける休憩コーナー「夜高茶屋」で引き合いを間近に見学してもらう。べっこうや昆布巻きなど11品が入った弁当やドリンクを提供するほか、利用者限定で夜高太鼓保存会や福野民謡会の演奏が披露される。

 料金は弁当やドリンク代などを含め5千円。今月9日から100席を募集し、23日まで先着で受け付ける。問い合わせは平日のみで市商工会福野事務所、電話0763(22)2536。