2歳でおもちゃのゴルフクラブを握り、7歳で初めて試合に出場、そして9歳になったばかりの2023年10月には1試合で2度のホールインワンを達成してギネス記録に認定された10歳の少女がいる。父親が慌てて「ホールインワン保険」に加入させたことを知ってか知らずか、同じ年のクリスマスイブには再びホールインワンを実現し、さらに周囲を驚かせた。自宅には総工費数百万円をかけた最新のシミュレーション設備があり、米ツアーで活躍するトッププロの松山英樹選手も帰国した際に訪れるほどだ。その松山選手が少女のスイングを見てこう言ったという。「すごい。すごい」(共同通信=宮本寛)
▽スタートはアンパンマン
ゴルフ一家に生まれた津止柑那(つどめ・かんな)さん。父親の克明さんは銅の鋳物や産業機械の部品を作る合金会社の3代目。スエズ運河を掘るドリルの軸も手がけているという。克明さんによると、柑那さんの祖母、克明さん夫妻、克明さんの姉夫婦とその息子2人、さらにはその妻までゴルフをする。
そんな家庭で育った柑那さんが2歳で初めて握ったクラブはアンパンマンのプラスチック製のおもちゃだった。当時の記憶を尋ねると、『「チャーシューメーン」「さいしょーはメーン」って言っていたのは覚えている』とはにかみながら答えてくれた。
6歳で練習を開始。その動機は「ちゃんと練習すれば家族と一緒にコースに行けると思ったから」だった。
▽そしてドラえもん
克明さんが「先行投資ですね」と笑う数百万円の設備とはどのようなものか。