トップインタビュー 2022

ファインテック株式会社 代表取締役社長鈴木 聡

マグネシウム加工でオンリーワン企業を目指す

ファインテック株式会社 代表取締役社長 鈴木 聡 氏

マグネシウム合金は軽く、強く、振動吸収に優れるなどの特性から、さまざまな製品の軽量化や省エネ化を実現できる。しかし加工時に火災のリスクがあり、扱う企業は少ない。ファインテックは24年前、この切削加工に着手し、独自の技術を確立。現在はマグネシウム合金を主軸にチタンなどの特殊合金の金属加工に従事。難易度の高い半導体製造装置や医療機器の部品加工を得意としている。

2017年に始動した航空機エンジンのアルミ加工事業は、コロナ禍により事業計画の見直しを強いられた。「工場を整備し各工程の認証を取得した矢先の減産。苦慮したが、現在、航空機は大型機から小型機へシフトし、低燃費・低騒音エンジンの製造が始まっている。この動きに乗り遅れないよう受け皿を整えていきたい」と鈴木聡社長。

航空機事業のピンチを救ったのが、マグネシウム合金だ。同社では4年前より、米国でのシェールガス・オイル坑の掘削に使用される特殊機器のマグネシウム合金パーツを供給。地中で自然粉砕するというマグネシウムの特性を活かし、掘削工程の短縮とコストダウンに貢献している。

婦中工場にマグネシウムの専用加工棟を増強=富山市婦中町持田
婦中工場にマグネシウムの専用加工棟を増強=富山市婦中町持田

近年、カーボンニュートラルに向けたエネルギー政策の進展で受注が急増。一昨年はコロナ禍にも関わらず増収増益となった。現在、工場内300坪を「マグネシウム専用加工棟」として整備中で、5月に本格稼働させる予定だ。

昨年は、水素事業を推進する北酸と共同で、マグネシウム合金加工時に出る切屑の処理プラントを開発。メタノールで溶液分解すると切屑が安全な状態になり、同時に水素が発生する仕組みで、この水素の再利用に取り組み、循環型社会の実現に参画する。

「今年はマグネシウム事業を拡大し、技術力と生産能力で圧倒的優位に立ちたい。体力をつけ、3年後に本格化する航空機事業への投資の原資を稼ぐ1年にしたい」と抱負を語る。

ファインテック株式会社

富山市婦中町持田316-1 TEL.076-461-3885