21日午後2時25分ごろ、立山町草野の民家の敷地にある納屋にクマが入っていくのを住民が見つけ、110番した。駆け付けた町有害鳥獣対策実施隊員が、親子のクマ2頭を発見。成獣のクマが襲いかかってきたため、やり状の電極を刺して電気ショックで心停止させる「電気やり」による緊急捕獲を行い、2頭とも駆除した。けが人はいなかった。現場は町中心部の幹線道路沿いで人通りが多く、一時騒然とした。
県はツキノワグマ対策マニュアルで、人身被害を防ぐため、捕獲以外に手段がなく、許可申請の時間的な余裕もない場合、自治体の判断で緊急捕獲ができると特例で認めている。町はこの特例で緊急捕獲した。
町によると、駆除したのは成獣(体長約1メートル)と子グマ(体長約35センチ)。成獣を駆除した後、民家敷地のやぶに隠れていた子グマも緊急捕獲した。
現場は町役場、雄山高校などがある五百石地区の県道沿いの民家。敷地はやぶが生い茂り、同隊員によると、ふんが多く、クマが納屋をねぐらにしていた可能性がある。駆除されたクマは、出没情報が相次いでいた常願寺川中流域沿いから数キロ北上してきた可能性があるという。上市署からの注意喚起の電話でクマ出没を知った近くの50代男性は「誰も被害に遭わなくてよかった」と話した。