「真壁くんが初恋でした」「真壁くんが原点にして頂点」-。これは、ときめきトゥナイト展の京都会場で、来場者が寄せたメッセージのほんの一部。月刊漫画雑誌「りぼん」でロングランヒットした少女漫画「ときめきトゥナイト」の読者の中には、主人公の蘭世と同じように真壁くんに恋する少女が多くいた。京都会場では読者の真壁くんへの愛がひしひしと伝わってきた。(この連載は、12月22日に富山で開幕するときめきトゥナイト展を前に10月の京都会場の様子をお伝えします)

硬派で口数少ないけど、内面は優しい
瞳にかかる長めの黒い髪、きりっとした目、すっと通った鼻筋。真壁くん、こと真壁俊は美形である。硬派なボクサーで、口数は少ない。時にきつい言葉も言うけど内面は優しく、ピンチの時は助けてくれる。猫や小鳥など小動物にはそうした内面を見せてくれる。

主人公の蘭世は一目で恋に落ちる。でも、実は蘭世は魔界人なので人間との恋愛は禁忌。人間の寿命は魔界人に比べると短すぎるのだ。吸血鬼の父と狼女の母にはあきらめるようたしなめられるが、蘭世は初恋を貫く。
モテモテの主人公も「真壁くんだけ」
蘭世はとにかくモテる。ロングの黒髪が美しく、大きな瞳が愛らしい。性格もおせっかいのお人よしと愛きょうがある。それだけに、魔界の王子のアロン、売れっ子俳優の筒井、ルーマニアから来たマフィアのボス・ダーク=カルロなど数々の男性が思いを寄せる。
どれだけモテても、どんな困難が立ちはだかっても、蘭世は一途に真壁くんだけを思い続ける。たとえ真壁くんに冷たくされても、明るく振る舞う。魔界人から人間になるという一大決心も実行に移してしまう。強い。強いぞ、蘭世。
私も蘭世になったつもりで…
ときめきトゥナイト展には、蘭世になったつもりで真壁くんと記念撮影できるフォトスポットがある。

「撮って撮って」「せっかく来たんだもん」。京都会場では、女性グループが和気あいあいと撮影し合っていた。スマホで自身の写真を見て「蘭世が細すぎる~」と嘆きながらも、少女のように楽しそうだった。
中には、「いいの、いいの、私が写り込むと作品の世界を壊してしまう気がして…」と写真撮影を断っている人もいた。愛の形は人それぞれだ。

ときめきは色あせない
記者は1人で来場した。せっかく京都まで来たんだと勇気を出し、関西弁の見知らぬ女性に声をかけ、フォトスポットで何枚か写真を撮ってもらった。蘭世に比べ、随分とくたびれた自分の姿に驚いたが、「これが現実」と苦笑いするしかなかった。
「このシーン、りぼんで本当に何度も何度も読みました」「名場面ですよね」「私、実はカルロ派でして」…。写真撮影を頼んだ縁で初対面の女性たちとの“ときめきトーク”も盛り上がった。写真撮影を頼んでよかった。おかげでとても楽しかった。
ちなみに、カルロは先述したルーマニアから来たマフィアのボスで、実は真壁くんの前世の子孫。外見も真壁くんとよく似ている。運命に導かれるように蘭世に思いを寄せ、冥界の王との闘いで命を落とした後も、天上界から蘭世と真壁くんを見守る優しい人なのだ。ああ、懐かしい。
いくつになっても、心のときめきは色あせない。
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【ときめきトゥナイト展が富山にやって来る(4)】に続きます。随時掲載。次回は11月22日に掲載します。