佐藤工業が26日発表した2023年6月期連結決算は、新型コロナウイルス禍からの建設需要回復を反映して受注が伸び、増収増益となった。配当は期末一括で1株当たり10円を据え置いた。
単体の事業別売上高は、土木581億円(前年・524億円)、建築874億円(同・558億円)、不動産などの兼業は11億円(同・13億円)となった。コロナ禍で停滞していた工事が動き出し建築を中心に伸びた。各種コスト高の影響を受けたが増益を確保した。繰越工事高が増えている中で、24年6月期の連結業績は増収増益を見込む。
23年6月期を初年度とする3カ年の第7次中期経営計画では、最終年度25年6月期の連結業績を売上高1796億円、経常利益40億円などと設定している。
平間社長、利益率アップが課題
佐藤工業の平間宏社長は業績について「上向きだと感じている」と手応えを口にした。各種コスト高や人手不足が深刻化する中、契約交渉などを通じた利益率アップを課題に挙げた。
来年4月の残業規制強化に触れ、「人員確保が難しい中でも現場の負担を軽くしなくてはならない」と強調。技術センター(茨城)で手間のかかる現場管理業務をサポートするとした。