富山県氷見市余川に千葉県習志野市から家族3人で移住した齋藤航太郎さん(37)が今月、地元の空き店舗を改修してカフェを開いた。子育て世代の母親や地元のお年寄りがくつろげる場所を提供したいとの思いからだ。人口減が進む余川を盛り上げ、移住を後押しする場を作りたいとの願いも込めた。

 齋藤さん家族が移住したのは2021年。妻、浩子さん(39)は射水市出身だった。県内で暮らす場所については一任された。趣味のサーフィンで能登に行く際、氷見を通り、里山と海の距離感が近く、自然豊かな魅力に引かれた。

 移住後は地元のワイナリーで働き、カフェを開くつもりはなかった。大好きになった余川だったが、子育て世代の街なか移住や高齢化による人口減少が進む現状を知った。「人が集えるような店ができると変化を起こせるかもしれない」と、子育て中の母親がゆっくり過ごせるカフェを思いついた。

 店名はスペイン語で太陽と海を指す「sol & mar(ソルアンドマー)」。子どもは太陽、母親は海のイメージを重ねた。店内中央には子供が1人で遊べるキッズコーナーを設け、その様子が見守れるようにカフェコーナーのベンチなどをL字型に配した。授乳室も備えた。コーヒーなどの飲料はオーガニックやフェアトレードの商品を用意し、母親や赤ちゃん向けのオーガニックのコスメ商品なども扱う。環境問題に目を向けてもらえるようにコーナーも設けた。

 14日に開店し、水~土曜の午後に営業している。齋藤さんは店で遊んでいる子どもを余川のお年寄りが面倒を見ている光景を思い描く。「店が心地良いと感じてくれる子育て世代が『余川って良い場所じゃん』と移住を考えたり、実際に移住したりと、そういう景色が描いていけたらうれしい」と話した。