立山黒部貫光が31日発表した2023年3月期連結決算は、新型コロナウイルス禍による立山黒部アルペンルートの客数低迷が響き、営業、経常、純損益が4年連続で赤字となった。
営業収益は前年比73%増の34億8600万円で、2年連続の増収。営業損失は6億1千万円(前年・14億6900万円)、経常損失は5億6200万円(同・13億500万円)、純損失は5億6700万円(同・7億7400万円)だった。
単体は営業収益が75%増の22億3700万円、経常損失は5億9500万円(同・12億2800万円)、純損失は6億200万円(同・7億6400万円)。
4月15日~5月28日の立山黒部アルペンルートの入り込み客数は22万7200人だった。前年比で95%増、コロナ禍前の19年比で24%減となった。
立山黒部貫光人事(6月29日)▽常務取締役 田草川健二、大谷真一、川高健裕▽社外取締役 金井豊、麦野英順、中田邦彦▽取締役 内山高宏▽参議 鹿熊正一、山崎宗良、火爪弘子▽退任 専務取締役中川修、常務取締役高江均、同中村直幸、同秋元一秀、社外取締役庵栄伸、同辻川徹、参議横山栄、同稗苗清吉、同吉田勉
立山貫光ターミナル人事(6月29日)▽常務取締役 田草川健二、大谷真一、川高健裕▽取締役 中田邦彦、内山高宏▽退任 専務取締役中川修、常務取締役高江均、同中村直幸、同秋元一秀、社外取締役辻川徹
黒字化へ強い意思
立山黒部貫光の見角要社長は4年連続の赤字となった決算を「満足はしていないが、明るい兆しがあった」と振り返る。
経費削減や体制の見直しにより、損益分岐点の入り込み客数を100万人から70~80万人に引き下げた。2024年3月期は60~70万人の誘客と営業黒字を目指す。現在のペースで進めば達成できるとし、「黒字化しなければという強い意思がある」と述べた。
ロープウエー計画、年度内に方向性
立山黒部アルペンルートの立山駅-美女平駅を結ぶロープウエー計画について、見角社長は「本年度中に方向性を導き出したい」との認識を示した。
ロープウエーは、老朽化している立山ケーブルカーの代替交通手段として計画され、県と連携して実現に向けた調査を続けているという。見角社長は「本当にロープウエーでいいのかということも含めて検討している」と話した。