バレーボールVリーグ1部(V1)女子のKUROBEアクアフェアリーズは創部25周年の今年、チーム強化に向けた環境整備に乗り出す。グッズ販売の旗艦店などが入る新拠点「アクアフェアリーズスクエア」や日本人選手寮を本拠地の富山県黒部市内に整備する計画だ。2024年に発足する新リーグへの参入を見据え、地域に密着したチームづくりを進める。
KUROBEアクアフェアリーズは1998年、とやま国体強化チームとして創部し、2018年からV1リーグで戦う。「おらがまちのチーム」として、多くの選手が黒部市内の企業に所属しながら、トップレベルでプレーしてきた。
日本バレーボールリーグ機構はVリーグを再編し、24年に「SVリーグ」を発足する。大きなテーマが「地域密着」だ。所属する各クラブの事業規模を広げ、世界最高峰のリーグに成長させることを目指している。参入条件の一つである事業規模は各チーム4億円以上が必要とされ、アクアは少なくとも1億円が不足しているという。
こうした課題の解決に向け、拠点を設けてファンとの接点を増やすほか、選手のプレー環境を整えて有力選手の獲得につなげ、規模を拡大する考えだ。
「アクアフェアリーズスクエア」は今年10月、同市三日市でYKKグループが整備している省エネ街区「パッシブタウン」内に開設する予定。グッズショップに加え事務局やトレーニングジムを構える。
現在のクラブ事務所は市総合体育センター内の一室で手狭となっており、ファンや市民が訪れやすい施設に生まれ変わらせる。ジムに常勤トレーナーを採用し、下部組織「アクアジュニア」のメンバーも利用できるようにするほか、将来的には一般開放も検討する。
市内に整備する選手寮では、栄養面の管理もサポートすることで選手から見たクラブの魅力アップを目指す。「スクエア」と合わせた整備費は非公表で、スポンサー企業の協力を得て進める。
アクアの飯田耕一ゼネラルマネジャーは、仮にトップリーグから脱落する事態になれば、観客やスポンサーが減り、選手も獲得しにくくなると説明。「応援してくれる皆さんを笑顔にするためにSVリーグにいなければならない。そのために環境を整え、来季以降の成績アップにつなげたい」と話している。