富山県高岡市のミヤワキ建設(宮脇友基社長)と、同市の就労継続支援A型・B型事業所「Aim(エイム)」は、まきを販売・運搬する事業に乗り出した。ミヤワキ建設が住宅建設の際に出る端材をまきストーブ用に加工し、エイムの利用者と協力してまきストーブがある家庭などに届ける。端材の有効活用や、障害者の就労機会拡大につなげる。

 木造住宅建築を手がけるミヤワキ建設は、現場で発生する端材の有効活用や人手不足が課題だった。障害者に仕事を提供するエイムを運営する「with One(ウィズワン)」の浅井千春社長が利用者の就労機会を広げようと、「とやま呉西圏域共創ビジネス研究所」で知り合った宮脇社長に声をかけた。

 ウィズワンは知的や精神、発達の障害者を雇用している。まきの運搬は利用者と指導員、ミヤワキ建設の職人が一緒に木材加工場から各家庭などに届ける。能力や適性に応じ、運搬やラックへの積み込みなど作業を分担する。

 昨年から試験的に販売し、今月から本格的に事業を開始。試験販売で運搬作業に携わった利用者の山本浩さん(63)は「外の仕事は解放感があり働きやすい」と話し、指導員の田中淳子さんは「やりがいを持って働いている様子で、一緒に作業して楽しかった」と振り返る。

 働く意欲がありながら能力を生かせる仕事に巡り合えない障害者は多い。浅井社長は「力を発揮できる場所を増やしたい」と語り、宮脇社長は「サービスを通じて障害者を身近に感じ、理解を深めるきっかけをつくりたい」と話している。

 価格はまき2・5立方メートルで3万円。運搬費込みで、すぐに使用できる状態で販売する。運搬エリアは呉西地区。問い合わせはミヤワキ建設、電話0766(26)2581。