奈良時代の越中国司、大伴家持が神通川(古名・売比河(めひかわ))の鵜飼(うか)い漁を題材に和歌を詠んだとの故事にちなむイベント「第26回売比河鵜飼祭」が20日、富山市婦中町島本郷の田島川で開かれた。4年ぶりに観客を入れ、児童らによるステージ発表も復活。大勢の来場者が古式にのっとった鵜飼い漁の実演に見入った。
鵜坂小6年の「鵜坂さんさい踊り」で幕開け。有澤守同祭実行委員長が「約1300年前を再現した幻想的な鵜飼い漁を堪能してほしい」とあいさつ。津軽三味線やダンス、吹奏楽など多彩なステージがあった。
愛知県犬山市の鵜匠による鵜飼い漁の実演は午後8時に開始。かがり火に寄ってきたアユを鵜に捕らせる「川舟漁」と、川沿いを歩き鵜を操る「徒歩(かち)渡り漁」で見事な手縄(たなわ)さばきを見せた。地元の鵜坂鵜飼太鼓のメンバーが、勇壮な演奏で会場を盛り上げた。
鵜飼祭は1998年に始まった初夏の風物詩。新型コロナウイルスの影響で2020、21年は中止し、昨年は無観客で開催した。同祭実行委主催、鵜坂観光協会、北日本新聞社、とやまソフトセンター共催。