幕末から明治時代にかけて活躍した幕臣、山岡鉄舟(てっしゅう)(1836~88年)ゆかりの宝物が保管されている富山県高岡市太田の臨済宗国泰寺派大本山・国泰寺で10日、専門家による資料の調査が行われた。

 調査したのは日本芸術文化振興会(東京)の大石学監事と寺社仏閣を研究する合同会社京都村正(京都)の村山和正代表の2人で、文化財を生かした地域振興の在り方などを探るため同寺を訪れた。

 大石監事と村山代表は同寺の澤大道管長の案内を受けて境内を見て回り、山岡の位牌(いはい)や書、徳川家ゆかりの宝物など幕末から明治初期にかけての資料を調べた。高岡市立博物館にも足を運び、同寺で見つかった新選組の局長、近藤勇(1834~68年)が身に着けたと伝わる甲冑(かっちゅう)も確認した。

 大石監事は「文化財の潮流が保存から活用に変わりつつある中で、さまざまな宝物や資料が保管されている国泰寺の歴史や文化はしっかりと調査していく必要がある」と話した。