都市住民が農業を体験する「快汗(かいかん)!猫の手援農隊」が12日、富山県高岡市戸出西部金屋のチューリップ畑で始まった。東京や神奈川、静岡から訪れた6人が地元農家と一緒に球根用のチューリップの花を摘み取り、農業に理解を深めた。

 猫の手援農隊は、農作業ボランティアの活動を通して、都市と農村の交流を深めようと、全国農協観光協会(東京)が実施。県内では、高岡市チューリップ球根組合(吉江正雄組合長)とJA高岡が協力し、2014年からボランティアを受け入れている。

 参加者は同組合の高畑豊仁監事のチューリップ畑で、球根に栄養を行き渡らせるために行う花の摘み取りを体験した。赤や黄、ピンク色に咲き誇る花に囲まれながら、ポキッ、ポキッと手際よく摘んでいった。14日まで同市戸出地域の農場で活動する。

 昨年に続いて参加した東京都目黒区の山崎英子さん(61)は「富山のチューリップはシュッとしてきれい。花摘みは大変だけど、色鮮やかに咲くチューリップの景色はなかなか見られない」と目を輝かせ、「滞在中に立山連峰の美しい山並みも見られたらいいな」と期待した。

 今年は3月に暖かい日が続いた影響で生育が早く、球根は6月中旬から収穫し、7月下旬から出荷を始める。