富山市八尾町下笹原の温泉旅館「八尾ゆめの森ゆうゆう館」は日帰り入浴客向けに、同市婦中地域と結ぶ無料バスを試験運行している。八尾と隣接する婦中の温浴施設が今年全てなくなってしまったためで、4月末までの毎週火、木曜に往復1本を用意。交通手段の少ない高齢者ら利用客からは歓迎の声が聞かれる。
婦中地域では近年、温浴施設が相次いで姿を消した。2019年に採算悪化のため「かんぽの宿富山」が営業終了。新型コロナウイルスの影響を受けた21年に「いこいの村磯波風(いそっぷ)」、今年1月末には「とやま天然温泉 ファボーレの湯」がそれぞれ閉館した。
婦中地域の住民から身近に温浴施設がなくなり不便だとの声を聞き、ゆうゆう館を運営する八尾サービス(八尾町保内)は2月末から無料バスを運行。好評のため、当初より期間を1カ月延長している。利用客へのアンケート結果などを踏まえ、5月以降の定期便化を検討する。
3月下旬に利用した椎名政春さん(74)=婦中町下轡田=は「地元の温泉には週2回ほど通っていた。(無料バスは)便利でとてもありがたい」と話した。
迎えは午前9時半から鵜坂、速星、婦中熊野、宮川の各公民館・地区センターを順に走る。送りは午後1時45分にゆうゆう館を出発する。入浴料は別途。問い合わせは同館、電話076(454)3330。