富山日産自動車(富山市西新庄)は1日までに、富山、石川両県で日産系ディーラーを展開する金沢市の北星ホールディングス(HD、小杉雄二社長)に株式を譲渡し、同HDの傘下に入った。白倉三喜社長(69)は取締役相談役に退き、後任に同HDのグループ会社、日産サティオ富山(富山市)の岩島達郎取締役(68)が就任する。会長には同HDの小杉社長(69)が就く。
富山日産自動車は3月31日、臨時株主総会と取締役会を開き、北星HDに株式譲渡することを決めた。同HDは1日に名称を「北星モビリティサービスグループ」に変更した。
白倉氏は株式譲渡と社長退任の理由について「自分が高齢であることを踏まえ、引き際だと考えた」とし、岩島氏については「真面目な人柄で信頼できる」と話した。
富山日産自動車は1946年に設立。県内に新車販売店6店、レンタカー4店を持つ。北星HDは富山、石川で日産系ディーラーを中心に44店を運営する。富山日産自動車を傘下に置くことで両県の日産系ディーラーを一本化し、販売網の再構築を進める。
国内自動車販売を巡っては、材料高で新車価格が値上がりしていることや、少子高齢化で新車の需要減が予想されている。業界関係者は「各メーカーでは販売体制の見直しが進んでいる。今後、店舗統合が進む可能性がある」と分析した。