岩本社長が就任初の会見

 経営再建中の大手ジェネリック医薬品(後発薬)メーカー、日医工(富山市総曲輪)は、技術面や採算面から作り続けることが難しい品目について、さらなる削減を進める。年内にも販売中止品目を確定する方針だが、具体的な数は未定。既に300品目以上の販売を取りやめており、さらなる削減で合理化を進める。岩本紳吾社長(62)が29日、同社本社で就任後初の記者懇談会を開き、報道陣に説明した。

 日医工は経営合理化の一環として、成分が重複している品目や、不採算品目の生産見直しを進めている。昨年11月に95品目、今月6日に221品目の削減をそれぞれ発表。現在1247品目を販売している。

 岩本社長は「技術的に無理やり作っている製品はギブアップする。作り続けると最終的に(医療関係者や患者に)迷惑をかけることになる」と説明。販売を中止する場合には、自社や他社の代替品を医療関係者らに案内するとした。ただ、削減を検討している中には後発薬の代替品がない品目が数点あり、より割高な長期収載品(特許切れ先発品)への切り替えが必要になる可能性があるという。

 このほか社長就任の抱負を問われ「経営再建に加え、顧客に信頼され、社員が安心と誇りを持って働ける会社にしたい」と述べた。

 岩本社長は1983年に山之内製薬(現アステラス製薬)入社。後発薬サンドの社長などを務めた。今月8日に創業家の田村友一前社長(60)からトップを引き継いだ。

 日医工は投資ファンド傘下に入り、29日付で上場廃止となった。