富山県朝日町のまいぶんKANは26日、町図書館で明治記念館(同町沼保)のふすまの下張りに使われた古文書をはがす体験教室を開き、参加者はピンセットなどを用いて丁寧にはがした。
記念館は江戸期に十村役を務めた伊東家の邸宅で、藩主の宿泊施設としても使われた。ふすまやびょうぶの強度を持たせるための下張りには、不要になった和紙製の古文書が使われた。貴重な史料にもなり得ることから、下張りをはがす体験教室を2017年から開いており、滑川市博物館の協力を得て文書の内容を調査している。
この日は町民ら約10人が参加。グループに分かれ、下張り文書を水で湿らせて竹へらを使いながら一つ一つはがした。以前に作業した文書も展示し、手遊びと呼ばれるばくち行為で取り締まりを受けた住民の様子や東本願寺を建て替えた際の献金のやり取りが記されていた。
滑川市博物館の近藤浩二館長は「こうした文書から、当時の生活を垣間見ることができる」と話した。