ゴールドウインは24日、人工タンパク質素材「ブリュード・プロテイン繊維」を使った2023年秋冬向けの新商品を発表した。バイオベンチャーのスパイバー(山形県)との共同開発で、5ブランド全15アイテムを日本や欧米、アジアで発売する。石油や動物性原料を使わない製品で、生分解性も兼ね備えていることから、環境負荷の低減につながる。

 ブリュード・プロテイン繊維は、植物由来のバイオマスを原料にして微生物が生成したもの。15年から共同開発を行い、Tシャツやジャケットを数量限定で抽選販売してきた。

 スパイバーのタイの工場で生産体制が整ったため、今回初めて量産型の商品を売り出す。各ブランドの代表製品をブリュード・プロテイン繊維に置き換えたもので、価格は従来の2倍程度となる。「ザ・ノースフェイス」の「ヌプシジャケット」は11万円など。

 海外ではゴールドウイン直営店で扱うほか、海外事業者と連携して販売する。国内では9月に東京・丸の内に期間限定店を設ける。

 都内で会見したゴールドウインの渡辺貴生社長は「衣料品の循環に対する意識を浸透させていきたい」、スパイバーの関山和秀代表執行役は「ようやくスタートラインに立てた」と話した。