ほくほくフィナンシャルグループ(FG)の北陸銀行と北海道銀行は24日、企業の活動を包括的に評価し、持続可能な開発目標(SDGs)や環境・社会・企業統治(ESG)への取り組みを支援する融資商品「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)」の取り扱いを始めた。

 第1号案件として、北銀は同日、阪神化成工業(富山市小中、高田健社長)と契約を締結した。融資額は非公表、融資期間は7年。同行によると、PIFの導入は北陸3県の企業で初めてという。

 PIFは、国連環境計画金融イニシアチブが策定した「ポジティブ・インパクト金融原則」に基づき、企業活動が経済、社会、環境に与える影響(インパクト)を包括的に分析・特定し、良い影響の拡大とマイナス影響の低減に向け、継続的に支援する。今回のインパクト分析は、阪神化成工業を含むグループ4社を対象に北陸経済研究所が実施した。

 阪神化成工業は医薬品向けを中心としたプラスチック容器の製造販売を手がけ、グループ会社では医薬品の受託製造などを行っている。SDGsへの取り組みにも積極的で、北銀のSDGs宣言策定支援サービスの第1号となった実績がある。

 同社はPIFの利用の当たり、重要業績評価指標(KPI)を設定。「新たな環境配慮型プラスチック容器・医薬品容器5品目の開発」「太陽光パネルを2拠点に新規設置」「従業員全員の月平均残業時間8時間以下の維持」などの目標を掲げた。北銀は年1回以上、KPIの達成状況をモニタリングし、必要に応じて新たな融資やビジネスマッチング先の提案を行う。