富山市八尾地域中心部の上新町が所有している曳山(ひきやま)の装飾が、文化庁の協力する京都市の展示会で飾られている。京都の職人によって近年修復された「見越(けんけし)」と「八枚彫(はちまいぼり)」の一部を展示し、八尾の文化財をPRしている。25日まで。
上新町は毎年5月3日の越中八尾曳山祭で曳山を引き回す6町のうちの一つ。2019年度に曳山の後方に付ける「見越」、22年度に中段の四方を囲む「八枚彫」を文化庁の補助などで修復した。展示会への出展は、いずれの修復も手がけた厚生労働省の「現代の名工」で京都産業大の下出祐太郎教授から依頼された。
展示会は下出教授が代表を務めるNPO法人が主催し、文化庁地域文化創生本部が協力。京都市上京区のギャラリー粲宙庵(さんちゅうあん)で開かれており、現地を訪れた上新町曳山保存会の栃山仁一会長は「八尾の曳山の魅力を全国へ広める良いきっかけになる」と喜んだ。