北陸電力は22日、4月1日から予定していた家庭向け規制料金の値上げが先送りされることになったと発表した。経済産業省の審査が継続しており、1日の実施が困難になった。4月の電気料金は、送配電網の利用料「託送料金」の値上がり分(269円)のみ反映させ、標準家庭(30アンペア契約、月使用量230キロワット時)で5061円となる。

 北電の申請通りに値上げが認められた場合、4月からの電気料金は7718円となるはずだった。試算によると、値上げの開始時期が1カ月延びるごとに15億円の減収となり、経営の立て直しを急ぐ同社にとって痛手となりそうだ。

 電気料金の値上げを巡っては、燃料価格の高騰を受け、北電など5社が4月から、東京電力など2社が6月からの値上げを経産省に申請した。北電の値上げ幅は、7社のうち最大の平均45・84%だった。

 経産省の審査会合は、値上げの根拠となる燃料の調達価格や人件費などの妥当性を審議していたが、各社の申請後に資源価格が下がり、外国為替市場の円相場も変動していることから、値上げ幅の見直しを求める方針を示した。再計算に時間がかかるため、4月の実施先送りが確実となっていた。北電の担当者は「審査が速やかに行われるよう対応していきたい」としている。

 4月1日以降の電気料金は、認可された料金改定の実施日の前日まで適用される。

 オール電化住宅や法人向けの自由料金の値上げは予定通り1日に実施する。