人の死や終末期ケアを題材にしたアニメの完成披露上映会が21日、富山県砺波市太田の終末期患者の医療拠点「ものがたりの街」で開かれた。東京芸術大大学院美術研究科デザイン専攻の学生が制作した作品で、参加者がアニメを通じて死と生について考えた。

 昨年5月、同大の藤崎圭一郎教授と学生4人がものがたりの街を訪問した。職員や地域住民から聞き取った生い立ちなどを、約10カ月かけて20分間のアニメにした。

 タイトルは「サギのおくりもの」。病気を患った画家の高齢男性が、ものがたりの街での出会いを通じ、理想の人生の閉じ方を見いだすストーリー。終末期ケアを親しみのあるタッチの絵や音楽で表現した。

 この日は、研究室の戸澤遥さんと北村徳郎さん、作曲を担当した同大OBの内田拓海さんらが訪れ、上映後にトークセッションを行った。戸澤さんは「死を絵にして、分かりやすく伝えることに苦労した」と話した。アニメはものがたりの街のホームページでも公開される予定という。