ローソン(東京)は、書店併設型のコンビニエンスストア「LAWSONマチの本屋さん」を富山県立山町役場の敷地内にオープンする。北陸初出店で、遅くとも2024年度当初の開業を見込む。立山町には書店が1軒もなく、かねてから町が誘致に取り組んできた。
全国で書店数が減少する中、ローソンは14年から、地域の書店と協力した併設型店舗を展開。21年には出版取次大手の日本出版販売(日販)と連携し、「LAWSONマチの本屋さん」の出店を各地で進めている。
立山町は「書店ゼロ」の解消を目指し、富山地方鉄道五百石駅前の空きテナントへの出店を募ってきた。賃料補助や備品購入費の助成など支援制度を設けたが、応募はなかった。昨年秋には地区唯一のスーパーが閉店し、「買い物難民」対策も迫られていた。今回の出店はローソン側から提案があり、立山町としても「マチの本屋さん」がこれらの課題の解決につながると判断した。22日に同社と包括協定を結び、正式発表する。
17日の町議会産業厚生委員会で舟橋貴之町長が出店計画について説明した。22日の町議会3月定例会最終日に、店舗建設費用を含む22年度一般会計補正予算を追加提案する。建物の整備には、町の実質負担が25%の国の交付金を活用。町長は「雄山高校生や小中学生にも利用してもらえる」と期待を込めた。