富山県立山町芦峅寺に伝わる伝統行事「おんば様のお召し替え」が13日、同所の閻魔(えんま)堂であり、地元の女性たちがうば尊(おんば様)の白装束を着せ替えた。元々祭られていた6体に加え、今年は明治時代の廃仏毀釈(きしゃく)で離散した8体が加わり、14体がそろった。153年ぶりの「里帰り」に、参加者は「よく戻ってきてくださった」と喜んだ。

 芦峅寺では古くからうば尊を女人救済の尊像として大切にしている。新たに加わった8体は北陸大教授の福江充さん(59)=金沢市=が入手し、3月上旬に設置した。江戸時代に全国の信者から寄進を受けたものと見られ、大きさや姿、形がそれぞれ異なっている。

 芦峅女性の会のメンバーら有志約20人が芦峅雄山神社開山堂でおはらいを受けた白装束に着せ替えた。会長の佐伯妙子さん(52)は「ご縁があってお戻りいただき本当によかった。芦峅寺の文化を守っていきたい」とほほ笑んだ。

 お召し替えの歴史は江戸時代中期にさかのぼり、県無形民俗文化財に指定されている。