東日本大震災の発生から12年となった11日、被災地の復興を支援する富山市の市民団体「ふっこうのおと」(小林仁代表)が富山駅南北自由通路で追悼イベントを開いた。発生時刻の午後2時46分に合わせて参加者らが黙とうをささげ、会場は祈りに包まれた。

 福島県いわき市の「いわき語り部の会」の油座(ゆざ)順子さん(81)=富山市出身=が講演し、震災直後の様子などに触れ「当たり前の日常は多くの人たちの協力でできている」と語りかけた。

 八尾高校の生徒24人が会場で被災地の物産品の販売などを手伝った。授業で震災について伝えてきた岡部英人教諭(46)=福島県古殿町出身=の呼びかけで参加。2年の森蒼衣さん(17)は「まだ幼かったので震災が起きた時のことは覚えていないが、授業で津波の被害や、原発事故の影響で今も住めない場所があることを知り、信じられなかった。自分にもできることをしたい」と話した。

 ふっこうのおとの小林代表(52)は「被災地の人たちの思いを届けたいと活動を続けてきた。忘れないことが支援にもつながる」と語った。