富山県射水市内のパキスタンとインドカレーの店を集めたイベントが5日、同市のクロスベイ新湊で開かれる。両国の出身者が営む店が多い同市は近年、「イミズスタン」の愛称で、本場のカレーを味わえる“聖地”として注目を集める。関係者は「射水の新たなブランドとして魅力を発信したい」と期待している。

 伏木富山港で1990年代からロシア向けの中古車輸出が盛んになり、この輸出業を手がける多くのパキスタン人が射水市に住むようになった。2010年代からは新たなビジネスとして、市内外で母国料理の店を出す人が増加。パキスタン人やインド人が営む店は現在、市内に7店舗ある。本場の味が楽しめるとあって、交流サイト(SNS)を通じて全国からカレーファンが訪れるという。

 5日のイベント名は「おいでよイミズスタン カレーフェス2023」で、市と射水商工会議所、市観光協会、新湊地区まちづくり協議会でつくる実行委員会が初めて企画。5店舗が参加し、イスラム教の教義に従った「ハラル」対応の料理約30品を販売する。日本でなじみのあるバターチキンカレーやキーマカレーのほか、豆や肉を長時間煮込んだ「ハリーム」などをそろえる。

 作道(新湊)の店舗「アルバラカ」はスパイスや米を炊き込んだ「ビリヤニ」などを提供。オーナーのミスバ・ウル・イスラムさんは「イベントをきっかけにいろんな店に足を運んでほしい」と期待する。

 市在住で全国のカレーを紹介するブロガー「カレー探偵やみちゃん」さんがイベントに協力しており、射水特産のシロエビを使ったインド風天ぷら「パコラ」を初めて販売する。やみちゃんさんは「射水の新たな名物にしたい」と話した。イベントは午前11時~午後3時に開く。

 ▽出店店舗=アルナズ、アルバラカ、パキザ・フードハウス、インディラ小杉店、カシミール