ジャッキアップ不要タイプを

 チェーン規制がかかる道路での装着作業は、雪や坂道などの悪条件が考えられます。そんな場所でのジャッキアップはとても危険なため、これから購入する方は必ずジャッキアップ不要のチェーンを選んでください。
 素材は、昔からよく使われている金属のタイプと、ゴム・ウレタン素材を使った非金属タイプの2種類。金属製はグリップ力が強い一方、音や乗り心地の面ではゴム・ウレタン製に劣ります。ゴム・ウレタン製にはワンタッチ型など取り付けやすいタイプもありますが、収納時に器具がかさばり価格も高いという難点があります。それぞれの特徴を踏まえ、使用頻度や目的に合わせて自分に合ったものを選んでください。

※価格は2018年12月取材当時です。

金属製・非金属製チェーンの比較
上が金属製、下がウレタン製

購入したら装着の練習を

 チェーンの準備ができたら、平らで路面状態の良い場所で、装着の練習をしてみましょう。車を動かしてチェーンにタイヤを乗せるタイプ、ハンドルをいっぱいにきった状態でタイヤの上からチェーンをかぶせるタイプなど、商品によって装着方法は異なります。説明書をしっかり読んでください。

◎注意点

  • チェーンは前輪駆動なら前輪に、後輪駆動なら後輪に装着します。4WDの場合は、説明書を確認してください。
  • チェーンの裏・表、内側・外側に注意しましょう。
  • 最後に、金属の場合はチェーンバンドなど、非金属の場合は付属のハンドルなどでロックし、しっかり固定します。

装着手順はこちら(JAF提供)
https://youtu.be/Ve7NJHd1tlg

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練習をしておくことで、いざという時に慌てずスムーズに装着できるようになります。取付後は、実際に車を走行させてみて、緩みがないかチェックすることも忘れずに。

装着したらスピード厳禁!

 チェーンを着けて走りやすくなったからといって油断は禁物です。タイヤは高速回転して、遠心力がタイヤチェーンに働いています。「タイヤとチェーンは離れているもの」と考えて、安全運転を心掛けましょう。金属製チェーンでは30km/h以下、非金属製チェーンでは50km/h以下がスピードの目安です。
 タイヤに装着するホイールキャップは、タイヤやリムよりも出っ張っているものが多く、チェーンを張るためのゴムバンドやフックが当たってしまいます。ホイールキャップの破損にもつながるため、チェーンを装着するシーズンは外しておきましょう。

使用前後の点検と手入れも大切

 金属製チェーンは、走行後そのままにしておくとさびついてしまいます。また非金属製の場合は経年変化で強度や弾力性が低下します。走行後はしっかりと水分を拭き取ってから収納してください。また使用前にも、破損などがないか十分に点検してください。

JAFの実験動画
ノーマル、スタッドレス、チェーン装着などタイヤの種別ごとに、雪の坂道を登れるのかを実験しています。
https://youtu.be/eUt-gFHu1Mo