県内にはさまざまな滝がありますが、形を比べてみると、とっても面白いです!
富山市科学博物館の学芸員、増渕佳子さんに、百間滑、ままこ滝、宮島峡一の滝の三つの滝について解説してもらいました!
①百間滑
一枚の板のように見える「一枚岩」の上を少量の水が流れ、美しいせせらぎをつくっています。
この岩肌は、1億5千万~1億年前にできた手取層群の砂岩やれき岩でできており、砂や石が積もったときの堆積面が現在の川床となり一枚の板のように見えています。
百間滑のせせらぎの長さは約200メートル、昔の単位で約100間であることからこの名前で呼ばれています。
【場所】立山山麓のあわすのスキー場(富山市粟巣野・大山)近く
②まま子滝
一直線に水が落ちる「直瀑」に分類される滝で、端正な姿です。落差は約16メートル。滝の真っ黒な岩石は、火山の噴火による溶岩と、その破片からできています。
約1500万年前ごろに、日本海が拡大する過程で起きた火山活動の堆積物です。滝には、血のつながりのない母子にまつわる悲しい伝説があります。継母が継子(ままこ)を滝つぼへ投げ落としたという話で、滝の名前の由来になっています。
滝までは、駐車場から歩いて5分程度です。近年、見学のための道が整備されました。
【場所】上市町釈泉寺
③宮島峡 一の滝
一の滝は落差が約3メートルしかないのに対し、幅が約63メートルです。小矢部川の支流である子撫川流域では、このような幅の広い滝が見られます。
この地域は、約1600万年前の火山灰や砂・泥がほぼ水平に何層も堆積しており、硬い部分が川底になり、軟らかい部分が削られて滝となっているためです。
「一の滝」「二の滝」「観音滝」に加え、川底では「おう穴」と呼ばれる円形の穴も観察できます。
【場所】小矢部市名ケ滝