宮本輝氏選 第39回北日本文学賞

松嶋さん「精進さらに」 本社ホールで贈呈式

飛田さん「胸いっぱい」 宮本輝氏迎え贈呈式

選者の宮本輝氏(中央奥)を迎えた贈呈式で、梅沢北日本新聞社長から記念牌を受け取る入賞の松嶋ちえさん。松嶋さんの後方は選奨の谷ユリ子さん(右)と黒部順拙さん。右から地元選考委員の冨樫行慶氏、吉田泉氏、八木光昭氏、林英子氏、奥貫晴弘氏。左は石黒一成北日本放送ラジオセンター長=北日本新聞ホール

 第39回北日本文学賞の贈呈式が17日、北日本新聞ホールで行われ、「あははの辻」で入賞した松嶋ちえさん(43)=本名・松尾智恵子、大阪府枚方市、発掘調査補助員=に、梅沢北日本新聞社長から賞状と記念牌(はい)、副賞50万円が贈られた。

 選者の宮本輝氏をはじめ、地元選考委員の奥貫晴弘氏、林英子氏、八木光昭氏、吉田泉氏、冨樫行慶氏らが出席。選奨に選ばれた「雲の翼」の谷ユリ子さん(41)=本名・松田由喜子、神戸市、主婦=、「悪戯(いたずら)」の黒部順拙さん(54)=本名・坂本純一、さいたま市、在宅ワーク=にもそれぞれ賞状と記念牌、副賞各10万円が贈られた。

 松嶋さんは「尊敬する宮本先生に作品を読んでいただけたことは、一生思い出に残る。賞を励みに書き続けたい」と喜びを語り、宮本氏は「地元選考委員の熱意は尋常ではなく、最終候補作を受け取るといつもやいばを突きつけられたようで緊張する。評価は主観的なもので、私の好みで選ばせてもらった」と、ユーモアを交えてお祝いの言葉を述べた。地元選考委員を代表して奥貫氏が「選ばれた3編には努力の跡が見え、作者が会心の笑みを浮かべている個所も見えるよう。ご苦労が報われたと思う」などと、地元選考を振り返った。

 松嶋さんには、石黒一成北日本放送ラジオセンター長から入賞作品の朗読テープと記念品が贈られた。贈呈式後、懇談会が開かれた。

 同賞は地方から新鮮で個性豊かな作家の発掘を目指し、昭和41年に北日本新聞社が創設。今回は国内外から733編の応募があり、平田純氏を加えた6氏による地元選考を経て、最終候補作6編の中から宮本氏が選考した。

 入賞作「あははの辻」は、33歳の未婚女性の前に亡くなった父の隠し子が突然現れる物語で、戸惑う2人の心の揺れが描かれる。女優の石井めぐみさんによる朗読と松嶋さん、宮本氏のインタビューを交えたKNBラジオの一時間番組「KNBスペシャルラジオ劇場」が、30日午前11時から放送される。