宮本輝氏選 第38回北日本文学賞

夏芽さん喜び新た 本社ホールで贈呈式

飛田さん「胸いっぱい」 宮本輝氏迎え贈呈式

選者の宮本輝氏(中央右奥)を迎えた贈呈式で、梅沢北日本新聞社長から賞状を受け取る入賞の夏芽さん。後方は選奨の村本さん(左)と佐々木さん=北日本新聞ホール

 第38回北日本文学賞の贈呈式が20日午前、選者の作家、宮本輝氏らが出席して北日本新聞ホールで開かれた。「花畳」で入賞した夏芽涼子さん(69)=本名・吉本弘子、大阪市、無職=が「人生の中で奇跡のような幸せが訪れるとは思ってもいなかった。これからもゆっくりと書き続けていきたい」と喜びを語った。

 梅沢北日本新聞社長が「38回という回数は、わが社の事業の中でも歴史が古く、大きな財産だと思っている。今後も大切に育てていきたい」とあいさつ。夏芽さんに賞状と記念牌(はい)、副賞50万円を手渡した。

 選奨に選ばれた「六番目の会」の佐々木増博さん(60)=東京都小金井市、無職=、「マイ ファミリー」の村本椎子さん(54)=本名・森山洋子、札幌市、団体職員=にも、それぞれ賞状と記念牌、副賞10万円が贈られた。上野北日本新聞社会長や地元選考委員らが盛大な拍手を送り、3人をたたえた。宮本氏は「どの作品も持ち味があった。おめでとうございます」と述べた。

 同賞は地方から新鮮で個性豊かな作家の発掘を目指し、昭和41年に北日本新聞社が創設。今回は国内外から847編が寄せられ、地元選考委員の奥貫晴弘(富山大名誉教授)、平田純(県芸術文化協会長)、林英子(第3回北日本文学賞受賞者)の3氏が最終候補作を絞り、宮本氏が選考した。

 受賞作「花畳」は、小学生時代から幼なじみの3人が、老齢を迎えても仲の良い隣人関係を保って暮らし、仲間の1人に訪れた痴ほうの症状を見守る物語。高齢化社会の中で誰もが直面する可能性がある事態を切実につづっている。贈呈式後、懇談会が開かれ、宮本氏が講評などを述べた。

 声優の山本圭子さん=東京都中野区=による受賞作の朗読と夏芽さんのインタビューが、2月1日午前11時から、KNBラジオの1時間番組「KNBスペシャルラジオ劇場」で放送される。式では、石黒一成北日本放送ラジオセンター長から、夏芽さんに朗読テープと記念品が贈られた。