トップインタビュー2018

能作 代表取締役社長 能作 克治 氏

能作 代表取締役社長能作 克治

職人技継承へ新会社立ち上げ

 能作の新社屋が昨年4月、高岡市オフィスパークにオープンした。工場見学に対応した施設で、来場者はガラス越しに眺めるのではなく、生産現場の中を歩き、職人の仕事に間近で触れられる。富山のものづくり文化の魅力を新たな形で発信し、産業観光に新風を吹き込んでいる。

 自社製品販売ショップやレストラン、鋳物体験などのエリアもある。既に高岡の観光スポットになっており、企業の視察も多い。来場者は12月に8万人を超え、当初想定した年5万人を既に上回っている。能作克治社長は「鋳物作りのにおいや音を感じられるところが支持されているのではないか」と話す。

 サービス業への参入と捉え、さらなる来場者増と収益力向上に努めていく。「県外や海外からの旅行客が能作や高岡を話題にしてくれるなら、PR効果は小さくない。東京五輪に向けたインバウンドの拡大も視野に入れ、産業観光を地域活性化と収益につなげるサイクルをつくる」

産業観光に力を入れており、昨年は8万人超が見学に訪れた。鋳物体験が人気だ
産業観光に力を入れており、昨年は8万人超が見学に訪れた。
鋳物体験が人気だ

 新たな市場として開拓を目指している医療・ヘルスケア分野では昨年、医療機器の販売許可を得た。錫(すず)の抗菌性と柔軟性を生かした手術器具や、指の関節が変形する難病の痛みを緩和する装具などを手始めに本格的に参入する。

 海外戦略では米・ニューヨークの2店に続き、タイ・バンコクと台湾・台北に直営店を開いた。「金属に親しむ文化があり、評価も高い」と手応えを感じている。人気ゲーム「ファイナル・ファンタジー」の30周年を記念したコラボレーション商品は予約注文が好調で、新たな客層の掘り起こしに期待を寄せている。

 プレステージ・インターナショナル(東京)と共同で昨年12月に新会社「能作プレステージ」を設立し、オリジナル商品を制作して国内外へ販売する。「若い職人を育てるには仕事が必要。伝統技術を再評価してもらえる商品を展開しながら、職人の技術を継承していきたい」と語る。

株式会社 能作

高岡市オフィスパーク8-1 TEL.0766-63-5080